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【時計界の偉人列伝】世界初の実用的な機械式時計

1583年に等時性を発見したイタリアのガリレオ・ガリレイは、晩年に振り子時計を図面として遺しましたが、完成品を作り上げることはできませんでした。地動説も放棄させられたまま、志し半ばで生涯を終えたのが1642年のことです。しかしその後、彼の遺志を受け継ぐ人物がオランダに登場しました。それが、のちにヒゲゼンマイ付の調速・脱進機を実用化するクリスチャン・ホイヘンスその人です。

祖父も父も大臣を務めた名家に生まれたホイヘンスは、ガリレオが木星の衛星を1610年に発見したのに対し、1655年に土星の衛星「タイタン」を見つけます。その翌年、ドイツの時計師サロモン・コスターとともに振り子時計を完成させ、特許を取得しました。

その後も振り子時計の改良に努めます。まず、振り子は振幅がある大きさを超えると、等時性を発揮しないことに気づきます。ホイヘンスはサイクロイド曲線を応用してガリレオが提唱した説の弱点を克服し、より正確な振り子時計を作りました。1666年には、フランス財務省の招きでパリに移住。王立学士院で、初めての外国人会員として振り子時計の研究に没頭しました。

パリでは心強い協力者も現れました。フランス王室御用達の時計師だったイサーク・トゥレです。ホイヘンスは彼とともに、ロバート・フックが考案したヒゲゼンマイの搭載を試みます。そして1675年、“世界初の実用的な機械式時計”といわれるテンプ時計を完成させると、それまで1日あたり1時間もあった誤差(日差)が、1分程度にまで縮まったのです。ガリレオが夢見た実用時計の発明を継ぎ、ホイヘンスはそれを見事に成し遂げました。彼の登場が、現代の時計に及ぼした影響は計り知れません。

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