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ジャガー・ルクルトが開発した幻のミニチュアカメラがカンヌ映画祭に登場

カンヌ国際映画祭会期中の5月19日にジャガー・ルクルトが行うエキシビション〝The Art of the Behind the Scenes〟において歴史的な写真が展示される。1937年に4000台限定で生産されたミニチュアカメラ「コンパス」で撮影されたニューヨーク、パリ、上海、ヴェネチアのランドスケープフォトである。「未だかつて存在しない、上質で可能な限りの機能が搭載され、なおかつシガレットケースに収まるような極小カメラ」を作る野心を抱いた英国人のノエル・ペンバートン・ビリングのアイデアを、ジャガー・ルクルト(当時はマニュファクチュール ルクルト)が製造までこぎつけた野心作であり、写真史の1ページを飾る偉大な発明とされている。


 1934年に両者によって初めて打ち合わせが持たれ、そこから約3年の歳月をかけて完成したコンパスはベリングの言葉どおり、露出計、距離測定器、望遠レンズフード、はめ込み式フィルター、露光計、EV値表示、アングルフィルターに加え、コンパスのために特別にデザインされたパノラマ、立体撮影を可能にする軽量の三脚まで備えていたのである。写真史を彩るメカニズムの発見に満ちたこのカメラは、両大戦間に生まれた稀代の名機であり、今もコレクターたちを虜にする魅力をたたえている。