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誕生42年を経ても輝きつづける「エル・プリメロ」

 

1865年創業のゼニスはスイス機械式時計の魅力を体現する、いまもっとも価値ある老舗ブランドのひとつである。ブランドの本領はクロノグラフと高精度の時計づくりで、懐中時計の時代から腕時計の時代をつうじて、時計メーカーが精度と調整技術を競う天文台主催のクロノメーターコンクールで優勝争いの常連だった。

1969年にはいまも看板である自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」が誕生。残念ながらわずかの差で“世界最初の自動巻きクロノグラフムーブメント”という栄誉を逃し、またクォーツ腕時計の時代がはじまった翌年には早くも生産中止となってしまう。しかし、時計界は10振動というハイビートで高精度を実現したこの優れたムーブメントの存在を忘れることはなかった。1984年には「エル・プリメロを使いたい」という業界関係者の声を受けて生産が再開され、他社へのムーブメント供給がスタート。自動巻きクロノグラフムーブメントの傑作として不動の評価を得る。精度と耐久性に決して妥協しないロレックスが、自社製クロノムーブを開発するまでエル・プリメロを採用していたのは有名な話である。